サマリア | ともやの映画万歳!

サマリア





(英題:SAMARITAN GIRL)
【2004年・韓国】試写会で鑑賞(ともや評価:★★★★☆)


援助交際に走る10代の少女2人の瑞々しい友情。
そしてそれが引き起こす悲劇の顛末を、残酷かつ包容力に満ちたタッチで描いた美しくも悲しい韓国映画。

女子高生のヨジン(クァク・チミン)は、刑事をしている父ヨンギ(イ・オル)と2人暮らし。親友で同級生のチェヨン(ソ・ミンジョン)は、ヨジンと2人でヨーロッパ旅行に行くために援助交際を行い、ヨジンはその間見張り役に徹していた。ある時、チェヨンが援助交際をしている最中に警察の取り締まりが入り、チェヨンはホテルの窓から飛び降り大怪我をしてしまう。病院に連れて行くも、チェヨンは若くして命を落としてしまう。哀しみに暮れるヨジン。そして彼女が取った行動は、チェヨンが援助交際で出会った相手とヨジンが寝て、もらったお金を返していくことだった。ある日、殺人事件の現場であるホテルで現場検証をしていた父のヨンギは、男と親しげにしている娘のヨジンを発見してしまう。娘にそのことを問いただせずに苦悩するヨンギ。そして、ヨンギは激しい怒りを援助交際の男たちへと向け始める…。

この作品は「バスミルダ」「サマリア」「ソナタ」の三部構成になっている。
モノローグや台詞による説明などがほとんどない、シンプルで迫真の演技。
韓国映画が面白いのは、文化の違いか分からないけれど、『え~、そんな終わり方するの~?』っていう想像もつかない展開にあるんじゃないだろうか。
もちろんこの作品もビックリするようなエンディングを迎えます。
切ないわぁ。
哀しいわぁ。
めちぇくちゃ重い映画だけど、一カ所だけ『あんたたち親子だよ!』ってニヤリとツッコんでしまいました。
そしてこの作品でもエリック・サティの『ジムノペディ第一番』が効果的に使われてます(この曲は「僕の彼女を紹介します」でも使われていたけど、韓国の人はサティがお好きなのかしらん?)。
メインテーマのピアノの曲も哀しくて綺麗で気に入りました。
監督はキム・ギドク。

公式HP:http://www.samaria.jp/




タイトル: サマリアの少女(アドニス書房)



タイトル: 悪い男



タイトル: 春夏秋冬そして春



タイトル: 魚と寝る女



タイトル: 悪い女


ハピネット・ピクチャーズ
サマリア